オンライン診療に関する当院の法的解釈について

現在、情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)は法整備が十分に進んでおらず、厚生労働省や経済産業省など各省庁の法解釈待ちという状態である

我々、厚生クリニックはこれまでに明らかになっている法令や法解釈に基づき、このオンライン診療を行っている

まず前提として、我々医療現場の意見を述べる

1988年に創業し、2007年より現在の診療形態になって以来、当院の延べ来院数は20万人を超えているが、常日頃から懸念していることがある

それはジェネリックと偽った「偽造薬」「コピー薬」の多さと、いわゆる「サプリメント」「健康補助食品」による宗教的な暗示や薬機法スレスレの広告による刷り込みの多さである

ご存知のように偽造薬やコピー薬に含有される有害物質による健康被害は増加の一途を辿り、さも効果があるかのように謳ったサプリの盲信によって正しい治療を受ける機会を失ってしまう、症状を悪化させてしまう国民も年を追うごとに増え続けている(治療機会の喪失)

最近では着るだけで腹筋が割れて筋肉隆々になるなどという下着類の広告が公然とYahoo!やInstagramといったメジャーなインターネット媒体に掲載されているような状況であり、消費者庁ならびに厚生労働省、および経済産業省に今以上のさらなる取締を願うばかりである

現実問題として「これホンモノですかね?」と偽造薬を持ち込む患者さんや「知人に○万円もするサプリを勧められてるんですけど、今の治療と組み合わせても大丈夫ですか?」と相談してくる患者さんが後を絶たない

我々、医療従事者やある程度の化学や栄養学の知識がある者であれば一笑に付すような幼稚なセールストークでも、一般の方々や患者さんには「ナニガシという世界的に有名な研究者が・・・」「エビデンスが・・・」などの文言を疑う知識はない
インターネットで調べようにも、真実なのかウソなのか判断がつきにくい現状もある

当院など医療機関に相談してくれたり、正確な情報を調べる方はほんの一握りで、多くの方は「騙された自分が悪い」「信じた自分がバカだった」「高くはついたが勉強代だと思って諦める」と自分に言い聞かせ、よほど深刻な健康被害に遭わない限りは沈黙してしまうものなのだ

医療機関の根幹は「国民の健康と安全を守る」ことにある

そこで我々は以下の法解釈に基づいてオンライン診療を行い、正しい医療を必要とする国民に提供する所存である

遠隔診療に関する当院の法解釈

医師法第二十条において

「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付してはならない」※1

と定義されている

医師の行う診察は、急性的な症状や経験値、技術力を求められる高度な医療行為から、慢性的な疾患や問診で十分対処できる医療行為までと非常に範囲が広いものである

そのため、現在「遠隔診療」が話題にはなってはいるが、緊急を要する症状や実際に目で見て、触れなければ判断できない症状には対応できず、また通信機器の性能によっては正しい判断を下しにくいという問題点もあるため、平成9年12月24日に当時の厚生省が交付した「健政発第1075号 情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」という厚生省健康政策 局長通知(平成9年遠隔診療通知)の「1.基本的な考え方」において

「診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本であり、 遠隔診療は、あくまで直接の対面診療を補完するものとして行うべきものである。」

とされた

ただ、同「平成9年遠隔診療通知の1.基本的な考え方」は

「医師法第20条等における「診察」とは、問診、視診、触診、聴診その他手段の如何を問わないが、現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものをいう。 したがって、直接の対面診療による場合と同等ではないにしても、これに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない。」※2

とも続けている

また、平成27年8月10日に厚生労働省が交付した「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について 」という通知(平成27年遠隔診療連絡)の3.において

「平成9年遠隔診療通知の「1.基本的考え方」において、診療は、医師と患者が直接対面して行われることが基本であるとされているが、患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこととされており、直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではないこと。」※3

と定義された


これはつまり、時系列に整理すると

  1. ※1によれば、医師自らの診断によって治療や診断書、処方せんの交付をしなければならなず、これを以って診察という。
  2. ※2.によれば、診察とは、その手段は問わないが、疾病に対して一応の診断が下し得るものを指し、遠隔診療によって患者の心身の状況に関する有用な情報が得られるであれば、無診療治療に当たらない。
  3. ※3.によれば、患者側の要請とメリットが認められれば、対面診療による初診が絶対条件ではない。
  4. ただし、静止画や文章のみの情報による判断は診療とは呼べない。(平成28年遠隔診療回答文)

よって当院は、非保険適応のGLP-1ダイエット治療に限り、上記の法解釈を満たせるオンライン診療を実施することは正しい医療行為であると判断し、実施している

以上。

 


医師法第二十条を読む(外部リンク)

平成9年遠隔診療通知を読む(外部PDFファイル)

平成27年遠隔診療連絡を読む(外部PDFファイル)

平成28年遠隔診療回答文を読む(外部PDFファイル)